子どもの自立を促すのは「二段の低い棚」
モンテッソーリ園ではマテリアルを並べるのにこのような棚が使われています。
「二段の低い棚」というところがポイントです。
マテリアルはすべて平置きで設置され、いつも同じ場所にあります。いわゆる「見せる収納」ですね。
これにより子どもが秩序感をもって好きなマテリアルを選んで机に運び、同じ場所に片付けるという流れができます。
「秩序の敏感期」にある子どもにとって、棚の秩序感は何より重要なものです。
自分が戻すべき場所に別の子がちがうマテリアルを戻してしまっていると、秩序の敏感期にある子どもはマテリアルの上にマテリアルをがばっと重ねてしまうほど、「その場所」にこだわるものなのです。
おもちゃの数が少ないことのメリット
モンテッソーリ園では、マテリアルは1つのお部屋にそれぞれ1つずつしか用意されていません。
そのため、子どもは「誰かが使っていないときは自分が使える」という制限(ルール)を自然と覚えていきます。
自宅で子ども用にこの棚を設置するとしたら、間隔を充分にあけて、一段に3~4つを置くところから始めるといいでしょう。
なるべくおもちゃの数は一定に、少ない状態をキープして、ローテーションしていくことが秩序感を損なわない方法です。「おもちゃが多ければ楽しいはず」というのは大人の発想だったりします。
いろんなご家庭でお子さんを観察させていただいたとき、モンテッソーリ教育を知らないご家庭であっても、ハッピーベイビー(ご機嫌に自分らしく発達している赤ちゃん)のご自宅には、おもちゃの数がとにかく少なかったのが印象的でした。
また、赤ちゃんが動き回れるスペースをふんだんにとってあるという共通点も見て取れました。ハッピーベイビーに育つ秘訣を自然と実践されているのですよね。
かわいすぎ♪子どもにも最適な「スペシャル絵本コーナー」
モンテッソーリ園の絵本コーナーです。「子どもが自分で選んで手に取りやすい」という発達上の理由から考えるとこうなります。このように絵本も「見せる収納」で平置きとなっています。
絵本コーナーにはまた、子ども用の椅子(ソファ感覚のリラックス感のあるもの)も置かれています。
1、2歳児たちが、ここに座ってゆっくりと読書を楽しんでいます(大人っぽくてかわいすぎる光景です)。
もちろん、椅子以外で、ラグの周辺に座って読むのも自由です。これもおうちで取り入れられそうな環境づくりの一貫ではないでしょうか。